悩みネット
Wed 11 , 19:02:43
2007/07
絶滅危惧 輸入できず
繁殖環境保護 募金呼びかけ
国内唯一のボルネオゾウ、広島県福山市芦田町の市立動物園の「ふく」(メス、推定9歳)が思春期を迎え、独り身の寂しさに耐えかねている。人間にすれば13歳くらいの〈お年ごろ〉で、ここ1、2年、落ち着きのない様子を見せるようになった。来園時はアジアゾウとされていたが、その後、特に「希少種」の可能性があるボルネオゾウと判明。現時点で新たな仲間の受け入れは望めないが、同園は「絶滅を食い止め、将来の伴侶探しにつなげたい」と、ふくの故郷・ボルネオ島の環境保護を目指して募金を始めることにした。
(阿部宏美)
ボルネオゾウは世界最小のゾウで、2003年、「アジアゾウの亜種の可能性がある」とする学説が出された。同島北東部(マレーシア)のサバ州東岸だけに生息。同州野生生物局によると、住みかの森が農園に浸食されるなどして1000頭を切るまでに減少、絶滅が危惧(きぐ)されているという。
ふくは01年、同州で群れからはぐれて保護され、同動物園に。当初はつがいの予定だったが、仲介者間のトラブルでふく1頭だけになり、同園と同州政府はその後も、オスの受け入れについて交渉を続けてきた。
ところが、新説で〈希少種〉の可能性が指摘され、愛護の動きが活発化したため、同州政府は03年、輸出全面禁止の方針を決定。同園側からはその後も、市長名の親書を政府大臣あてに送るなどしているが、快い返事は聞かれていない。
05年夏、千葉の動物園から映画「星になった少年」のモデルになった雌のアジアゾウ「ランディ」がPRのために訪れた際、ふくは4年ぶりの“仲間”との出会いに、地面に寝転がって喜び、別れの朝には自分の餌である草をランディにプレゼントしたほど。
ところが、飼育主任の杉之原鉄郎さん(51)によると、ふくは「それから様子がおかしくなった」と言う。
来園者の声に過敏になって杉之原さんら飼育員の言うことを聞かなくなったり、不安げにしっぽを前足に挟むしぐさを見せたりするようになった。後藤達男園長は「ゾウは群れで生活する。仲間に会って故郷を思い出したのでは」とみる。
事態の打開を図るため、同園では今春、同局などが設立した「ボルネオ緑の回廊基金」への協力を決め、正面玄関などに募金箱を設置して来園者に協力を呼び掛け始めた。後藤園長は「ボルネオ島の生息環境が守られてゾウの数が増えれば、将来、輸出禁止が解除されるかもしれない」と話す。
サバ州で、同局と協力してゾウ保護に取り組む民間活動団体(NGO)の坪内俊憲さん(51)は「現地では、保護のための十分な資金がない。募金のほかにも、オスを福山に引き取ってもらい、人工繁殖の道を探るのも一つの手段だろう」と話し、州政府の方針転換に期待している。
募金についての問い合わせは、同園(084・958・3200)へ。
出典:読売新聞
PR:オーガニック コスメ
繁殖環境保護 募金呼びかけ
国内唯一のボルネオゾウ、広島県福山市芦田町の市立動物園の「ふく」(メス、推定9歳)が思春期を迎え、独り身の寂しさに耐えかねている。人間にすれば13歳くらいの〈お年ごろ〉で、ここ1、2年、落ち着きのない様子を見せるようになった。来園時はアジアゾウとされていたが、その後、特に「希少種」の可能性があるボルネオゾウと判明。現時点で新たな仲間の受け入れは望めないが、同園は「絶滅を食い止め、将来の伴侶探しにつなげたい」と、ふくの故郷・ボルネオ島の環境保護を目指して募金を始めることにした。
(阿部宏美)
ボルネオゾウは世界最小のゾウで、2003年、「アジアゾウの亜種の可能性がある」とする学説が出された。同島北東部(マレーシア)のサバ州東岸だけに生息。同州野生生物局によると、住みかの森が農園に浸食されるなどして1000頭を切るまでに減少、絶滅が危惧(きぐ)されているという。
ふくは01年、同州で群れからはぐれて保護され、同動物園に。当初はつがいの予定だったが、仲介者間のトラブルでふく1頭だけになり、同園と同州政府はその後も、オスの受け入れについて交渉を続けてきた。
ところが、新説で〈希少種〉の可能性が指摘され、愛護の動きが活発化したため、同州政府は03年、輸出全面禁止の方針を決定。同園側からはその後も、市長名の親書を政府大臣あてに送るなどしているが、快い返事は聞かれていない。
05年夏、千葉の動物園から映画「星になった少年」のモデルになった雌のアジアゾウ「ランディ」がPRのために訪れた際、ふくは4年ぶりの“仲間”との出会いに、地面に寝転がって喜び、別れの朝には自分の餌である草をランディにプレゼントしたほど。
ところが、飼育主任の杉之原鉄郎さん(51)によると、ふくは「それから様子がおかしくなった」と言う。
来園者の声に過敏になって杉之原さんら飼育員の言うことを聞かなくなったり、不安げにしっぽを前足に挟むしぐさを見せたりするようになった。後藤達男園長は「ゾウは群れで生活する。仲間に会って故郷を思い出したのでは」とみる。
事態の打開を図るため、同園では今春、同局などが設立した「ボルネオ緑の回廊基金」への協力を決め、正面玄関などに募金箱を設置して来園者に協力を呼び掛け始めた。後藤園長は「ボルネオ島の生息環境が守られてゾウの数が増えれば、将来、輸出禁止が解除されるかもしれない」と話す。
サバ州で、同局と協力してゾウ保護に取り組む民間活動団体(NGO)の坪内俊憲さん(51)は「現地では、保護のための十分な資金がない。募金のほかにも、オスを福山に引き取ってもらい、人工繁殖の道を探るのも一つの手段だろう」と話し、州政府の方針転換に期待している。
募金についての問い合わせは、同園(084・958・3200)へ。
出典:読売新聞
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